薬師瑠璃光如来

東方瑠璃光世界の教主であり、大医王仏として我が国でも早から信仰された。「薬師本願功徳経」などに基づいて、衆生利益の願による、病気平癒・心身安楽などの功徳が示される。日光菩薩・月光菩薩を脇待とし、十二神将を従える。印相は釈迦如来と同じく「施無、与願印」であるが、左手に薬壺を持っている。



天巌和尚肖像

立派な肖像画である。悠々とした態度。豊かないつくしみ深い表情。圓通妙覚禅師という人が、讃を寄せている。それによると『厳然たる姿は神のおわすようだ』という。そして、その『生は億万年にもわたる』と書く。

禅宗には、曹洞、臨済、黄檗の三宗がある。

臨済宗は、中国禅宗の一つで、宗祖は臨済義玄という。日本では栄西千光国師(岡山県の人、1215年没)が、12世紀の末にはじめて伝え、ひろめた。栄西国師の教えを引き継ぎ、伝えた人が天巌和尚である。

臨済禅を究め、修行を積み重ねた高僧の姿が、正しく伝えられている。

美しい、豊かな表情の和尚は、村の人々を優しくさとし、教えたことであろう。